効かせるパンチとは③ ~精神的影響~

science
Hand choosing green happy smiley face paper cut, product, user, service feedback rating and customer reveiw, experience, satisfaction survey, psychology mental health test concept

人間は痛みを避けるようにプログラムされている

人間は本来、苦痛を避けるようにプログラムされている。感情は行動を最適化するための手段として発達した。例えば身の危険(野生生物や災害など)を察知すると恐怖心を感じ逃げ出したり、恋人が嫉妬心を感じ相手の行動を観察(他の人間にリソースを持っていかれないか?防げないか?)するなど。

恐怖心が無いものは淘汰された

先史時代に命の危機に対しての恐怖心が無い個体は存在したと予測される。しかし恐怖心が無い人間は危険な生物が襲ってきそうな状況でも外界からの情報量を増やしたり反応性を高めたり(よく観察してすぐ逃げられるように驚く事)はしない。また命を落とす可能性のある過剰なリスクも取ってしまう。

そのため恐怖心の無い人間は淘汰されてきた。人によって恐怖心の度合いは全く異なるが人間のデフォルトの特徴としては恐怖心がプログラムされている。

恐怖心の影響とパフォーマンス

試合などで緊張をしている時に人体では様々な生理学的な反応が起こっている。代表的な例では交感神経が優位になりアドレナリンの分泌量増加が挙げられる。これにより心肺機能が向上し運動のパフォーマンスも向上する。しかし、試合の時は緊張でいつも通り動けなかったという人も多い。

緊張とパフォーマンスは逆U字と言われている。緊張が無ければ運動パフォーマンス向上が無いだけでなく、リラックスし過ぎて集中力も低下する為だ。

逆に過緊張であれば、「手の震えを止めなきゃ!」や「いつもより緊張で何か違う感じがする」など思考が分散してしまう。

TVなどでスポーツ選手が「あの時はゾーンに入っていた」と話をする場面を見たことがある人は少なくはないのではないでしょうか?それは適度なストレス(緊張)と適度なリラックスが完璧なバランスになり、スポーツという行為のみに没頭(ゾーン)した状態と考えられます。

恐怖心や緊張、闘争などの感情はホルモンの分泌や神経伝達種類が類似している。そのため脳がその神経伝達物質、ホルモンをどのように解釈するかによってパフォーマンスは変化すると考えています。

「恐怖心を感じた時は自分の体は相手のパンチに反応しようとしているから反応速度が上がっているはずだから怖くても引くのでは無く攻め時だ。」など状況に合致した解釈を日々積み重ねて行く事が重要と考えられる。

ボクシングはメンタルスポーツ

ボクシングはパンチの速さ、強さ、タイミングなどで相手の身体に影響を与える事で精神にも影響を与えてどのような効果があったか観察して相手をコントロールしていく。反対に相手の攻撃を貰っても自分の気持ちをコントロールして戦っていく。

試合に向けての心の持ちようは大きく二つ考え方があると私は考えています。それについては後日記載します。

恐怖心を与えるマジック

効かせるパンチとは② ~物理的な影響~ | Fight Science (kakutougi-science.com)で記載した通りパンチのインパクトゾーンはパンチが伸びきる数センチ手前から伸びきるギリギリまでです。フック系であっても腰が回転して肩抜きを起こした数センチ程度です。

そのため顔面を狙うがガードされてしまえばインパクトゾーン手前でパンチが当たってしまうため威力を伝えられません。威力のあるパンチが打てないという事は相手にとって自分のパンチは脅威ではないと判断されてしまう。

パンチで相手に脅威を与えられず相手に変化(行動の変容)を与えられないということはその試合をコントロールしにくくなる。

その対策としてはガードに当てるつもりで踏み込み過ぎず安全を確保した場所でパワーパンチを打つという方法が有効と考えています。

安全圏と思えていればパンチを強めに振り切れますし、大きな牽制になるかと。多用はし過ぎずパワーは余りないがスピードのあるパンチを組み合わせて出していく事で相手を翻弄する事が出来ます。

同じ戦い方を繰り返すと相手も対応策を講じてくる為、注意して行ってください。

また相手に影響を与えられているか?は前半中盤後半での相手の攻めの数、カウンターの数、前進、後退、フットワークの変化などを感覚的に計測してゲームメイクしていきましょう。

私もまだまだ発展途上で伸びしろしかないので一緒に頑張りましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました